ペパ研 運用技術

再帰化への認知的転回。なめらかなシステムの実践に向けた取り組み

ペパ研 運用技術

ペパボ研究所 研究員/プリンシパルエンジニアの三宅(@monochromegane)です。 GMOペパボでは、本年度のテクノロジー方針として「再帰化」への注力を掲げています。 再帰化とは「構造化・自動化されたサービスが、ユーザとのインタラクションの結果を取り込んで、システムを自らより良いものへと改修していくプロセス」を指します。 私たちペパボ研究所では、この再帰化に向けた取り組みを支援しており、その活動の一環として、再帰化の理解を助けるための資料を作成しました。

本記事では、ペパボの技術的な取り組み、そして私たち研究所との連携について知っていただくことを目的に、この再帰化に必要な「関数の設計から系の設計へ」という観点の獲得を目指した資料を紹介したいと思います。 これらのペパボの再帰化に向けた技術的・研究的な活動に対して興味を持たれましたら、ぜひお声掛けください。

再帰化への認知的転回

本資料では、まず従来のシステム開発を「関数の設計」と捉えるところから始め、再帰化の目指すものが、この関数の「継続的な再設計を可能とする系」そのものの設計であると認識してもらえるよう解説を行っています。 特に再帰化では、必ずしも機械学習の導入だけが解ではなく、関数の振る舞いの設計には様々な方法論を用いることができるという汎用性を残したまま、むしろ実システムにおいては継続的な再設計、すなわち利用者や環境の変化への追従性まで含めた考慮が求められている点が伝わるよう工夫しています。 ここで重要な点は、この継続的な再設計を、利用者とのインタラクションに基づき継続的に行わなければならないことです。 そのためには、利用者のみならず運用者にとっても、負担のない持続可能な仕組みが不可欠です。 本資料では、この実現に向けて、インタラクションの解釈、利便性とのトレードオフ、自動で振る舞いを変更する仕組み、そして機会損失の低減についてそれぞれ課題と方針を提示しています。 また、これらの整理を踏まえ、GMOペパボの運営するハンドメイドマーケットminneにおける検索システムに対して再帰化候補を検討しました(本資料では、社内向けの具体的な施策等は省略しています)。

再帰化となめらかなシステム

私たちペパボ研究所では「なめらかなシステム」の実現に向けた取り組みを進めています。 なめらかなシステムでは、情報システムとその利用者と背後にあるコンテキストまで含んだ総体をシステムとして捉え、それらの継続的な関係性から発見・創出したコンテキストを持って適切にサービスを提供します。 つまり、これまで説明してきた再帰化への取り組みは、ペパボ研究所における「なめらかなシステム」の実現に向けた取り組みに他なりません。 研究所では、先ほどの継続的な再設計について、より挑戦的な課題を設定1,2し研究開発を行ってきました。 それらの研究成果を、本年度の全社的な再帰化への取り組みに対して、「実際のシステムとして実装・提供することを通して、事業の成長に貢献」していきたいと思います。

まとめ

当研究所では、パートナーを募集しています。これらのペパボの再帰化に向けた技術的研究的な活動に対してご興味を持たれた方は、当研究所パートナー、または、キャリア登録まで是非ともご連絡ください。



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