ペパ研 研究会 運用技術

IBIS2018 第21回情報論的学習理論ワークショップで共著論文の発表をしました

ペパ研 研究会 運用技術

ペパボ研究所 研究員/プリンシパルエンジニアの三宅(@monochromegane)です。 2018年11月4日から4日間に渡って開催された、第21回情報論的学習理論ワークショップ(IBIS2018)で、九州大学とペパボ研究所の共著論文の発表を行いましたので紹介します。

非負値行列因子分解とMDL規準によるマーケットプレイスにおける商品推薦手法

荒野洋輔(九大)・三宅悠介(GMOペパボ)・川喜田雅則・竹内純一(九大)

本研究は九州大学の荒野さんがファーストオーサーとして論文発表を行っていただいたものです。 概要を以下に示します。

非負値行列因子分解とMDL規準によるモデル選択を組み合わせたデータ解析によりマーケットプレイスの実データを解析し、その解析結果が商品の推薦に関して有用であることを示す。

ペパボではminneというCtoCのハンドメイドマーケットを運営しています。minneでは、良い作品との出会いを支援するため作品の推薦を行っていますが、大量製作が困難なハンドメイド作品の特性から推薦結果の集中は販売機会の損失に繋がります。そこで作品推薦の個人化が求められています。 今回の手法は、この推薦の個人化にあたって作品群をクラスタリングする際に非負値行列因子分解(NMF)を用い、さらに最適なクラスタ数を求めるのにMDL規準を採用しています。 ここでMDL規準とは、与えられた統計モデルを用いてデータを圧縮したときの全記述長が最小となるようなモデルが最適なモデルであるとする規準です。 この方式は従来セキュリティ分野での実績があったものをECサイトに適用し、その効果を期待する研究となっています。

poster_preview

ポスタープレビュー: T-53

今後は、クラスタリング結果からより効果的な推薦商品を選択する手法の検討や計算量の課題など実運用に向けた取り組みも進めていく予定です。

発表を終えて

今回の発表はポスター講演形式でしたが、発表側も聴講側も非常に多くの参加者があり非常に活発な場であったように思えます。実際に私たちのポスターセッションも時間中途切れることなく質疑応答がありました。 通常の研究報告とは異なり、フィードバック回数が多く議論する時間も充分に取れたことから非常に有意義なワークショップとなりました。

(左: 荒野さん、右: 三宅)

ibis2018


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