ペパ研 研究会 運用技術

アクセス頻度予測に基づく仮想サーバの計画的オートスケーリング

ペパ研 研究会 運用技術

こんにちは、研究員の三宅です。インターネットでは @monochromegane として活動しています。2017/06/24に開催された、第38回インターネットと運用技術研究会で、機械学習を用いた仮想サーバ運用台数の最適化について研究発表してきました。論文(研究会予稿)とスライドを以下に公開します(論文画像をクリックするとPDFで読むことが出来ます)。

論文(研究会予稿)

アクセス頻度予測に基づく仮想サーバの計画的オートスケーリング

スライド

研究の概要は以下の通りです。

従量課金を主としたクラウドサービスでは,処理性能を保ちつつ必要最小限数の仮想サーバで運用し利用料金を抑制することがWebサービスの運営者の課題である.しかしながら,複雑化したWebアプリケーションにおいて適切なオートスケーリング契機の基準決定は困難である.本報告では,Webアプリケーション構成の複雑さに依存しない指標として一定時間あたりのアクセス頻度であるスループット値を用い,Webサービス運用者が経験的に把握しているアクセス頻度に影響を与える突発的な要因を取り込むことで予測精度を向上させたアクセス頻度予測モデルから,クラウドサービスの利用料金を考慮した仮想サーバ台数を算出する計画的オートスケーリングを提案する.提案手法により,サービス運用から得られる突発的なアクセス頻度の変動要因を予測に反映しながら,仮想サーバごとの負荷が一定に保たれた安定かつ効率的な運用が可能となる.

今回の研究は、ペパ研配属当初に検討していた取り組みをサービスに適用したものであり、機械学習基盤やワークフローの検討を経て、サービス担当の協力もあり、実際に仮想サーバ運用台数の最適化を実現することができました。

今後は、運用経験則の取り込みによる予測精度向上を進めつつ、本手法の利点である予測的な計画的構成変更に加えて、FastContainer等の手法と組み合わせることで突発的な負荷変動にも性能劣化を最小限にしつつ最短に追従できる仕組みを検討していきたいと思います。


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