博士課程

博士後期課程を修了し、博士(情報科学)の学位を授与されました

博士課程

ペパボ研究所 研究員/プリンシパルエンジニアの三宅(@monochromegane)です。 2024年9月25日に九州大学大学院システム情報科学府博士後期課程を修了し、博士(情報科学)の学位を授与されましたので報告いたします。

進学の経緯

2017年に運用開発エンジニアから研究員となり、未経験なりに試行錯誤を重ねながらジャーナル論文の採択まで漕ぎつけたものの、一度、正しい研究の型を獲得しなければ、これ以上には結果の水準をあげることができないだろうとも痛感していました。 そこで、自身の研究の発展はもちろんのこと、研究を推し進めていく力を高めたいと考え、社会人として博士後期課程へ挑戦しました。 修士を飛ばしての出願となったのですが、幸いにも前述のジャーナル論文や10本弱の研究報告などの実績をもって修士相当の学力を持つという出願資格が認められ、入学試験試問を経て、2020年10月に入学することができました。

この辺りについては、以下のブログ記事に書いてあるので、もしご興味があればお読みください。

九州大学大学院システム情報科学府博士後期課程に入学します

博士後期課程を通して

進学後は、国際会議での採択を目標に走り続けました。 在学中にジャーナル論文1本が採録され、国際会議に2本採択されました。 最終的に、入学前のジャーナル論文と合わせて計4本の実績をもとに、学位申請のための博士論文を執筆しました。

4年間の在学中は、上記の論文以外にも、不採択となった国際会議論文が7本と、国内の研究会やシンポジウムでの研究報告が5本あり、研究・評価・論文というサイクルを常時繰り返していました。 これらの継続的なサイクルを通して、「研究という最短ルートはない道程において、同じ道を回ることなく、常に何かしらの前進という成果を得る」ための様々な方法論や姿勢を体得し、研究を推し進めるための力を高めることができたと思います(例えば論文ストラクチャー集中型のサーベイ方法前進する力など)。

また、総集編となる博士論文執筆においては、これらの実績を自身の研究の世界観のもとに再構成しなければなりませんでした。 非常に難易度の高い執筆でしたが、この執筆を通して、ボトムアップな進め方であった自身の研究テーマに対し、トップダウンからの位置付けを与えることができました。 今後、新たな研究テーマを進めるにあたっても、これまでより遠い場所にも予めマイルストーンをおいて大局的な観点に基づいて進められるのではないかと考えています。

博論については、大学のリポジトリでの公開後にペパ研の実績一覧に掲載します。 博論の説明会である公聴会に用いた資料は以下に公開していますので、こちらも興味があればご覧ください。

学位論公聴会の資料

今後について

この4年間を通して、研究とは「人類が新たに学べる領域を作り出すこと」であり、博士課程とは「その方法論を、特定の研究テーマに基づく実践を通して身につける課程」なのだろうと考えるようになりました。

つまり、博士号を取得したということは、不確実で混沌とした課題領域においても、比較・体系化・言語化を通して、誰もがその課題を共有し、時間をかけることなく効果のある対策を講じられる基盤を整えられるスキルを持つ、すなわち、学べる領域を作り出せる人材であることが期待されるようになったのだと思います。

今後は、自身の研究テーマの推進はもちろんのこと、さまざまな施策において、所属する研究所のミッションである「研究開発により『事業を差別化できる技術』を生み出す」ことができるよう、さらに精進していきます。

最後になりましたが、今回の博士号の取得は、支えてくださった皆さんのおかげで実現した成果です。 指導くださった先生方、ペパボ研究所の皆さんをはじめとする同僚、切磋琢磨した社会人学生の皆さん、そして家族へ、心から感謝します。


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