ブロックチェーン

Bancorプロトコルのホワイトペーパーを翻訳しました

ブロックチェーン

ペパ研所長のあんちぽです。最近は、ブロックチェーンや暗号通貨まわりの技術に関心を持ち、追いかけているところです。今日は、新しい暗号通貨のプロトコルであるBancorプロトコルの話をします。

ホワイトペーパーの和訳

暗号通貨を追っていく過程で、Bancorプロトコルという、「スマートトークンと呼ばれる新世代の暗号通貨のための標準」と謳われる方式を知り興味を覚えたので、自分の理解のためにもホワイトペーパーを翻訳してみました。

(↑GitHubへのリンクになっています)

翻訳についてご指摘等ありましたら、ぜひGitHub上でプルリクエストを出していただけると助かります🙏

Bancorプロトコルとは?

昨今では、Ethereum上で実装されたトークンを用いて資金調達をするICO(あるいはクラウドセール)が流行っています。ものの数分で数十億の資金調達に成功した例もちらほらあり、非常な盛り上がりを見せています。

一方で、ブロックチェーンにより実現される「通貨」の可能性は、企業による資金調達のみに限りません。たとえば、日本でも2000年代初頭に流行った地域通貨をブロックチェーンで再実装してもよいでしょうし、アーティストが発行する通貨があるとファンを集める新しい手法にもなるでしょう。

その際に問題になるのが、「欲求の二重一致問題」です。人々が何かを交換する際、売る側と買う側とで価格の合意が行われなければなりません。ある程度以上の人々が参加している市場ならそのような合意は頻繁に起こるでしょう。しかし、そうでない例(上記の地域通貨やアーティスト個人の通貨など)では合意が起こりにくいことになります。

Bancorプロトコルは、ある種の「準備金」のような仲介を導入することにより、トークンの流動性と取引価格発見の自動化をもたらすものです。そのことにより、user-generated currencyと呼べるようなものすら可能にしていきます。

……というわけで、その後の詳しい話は、ぜひホワイトペーパーをお読みください。

おわりに

ペパ研は「なめらかなシステム」をコンセプトに据える研究開発組織です。そもそもその「なめらかな」という言葉は、鈴木健さんの『なめらかな社会とその敵』に由来するわけですが、その本で扱われていたのはPICSYという通貨でした。つまり、ブロックチェーンや暗号通貨といった領域もまた、「なめらかなシステム」を実現する重要な研究開発領域であるということになります。

というわけで、ペパ研ではブロックチェーンや暗号通貨まわりで研究開発したい研究者も募集しております。ぜひその面でも「なめらかなシステム」を実現していきましょう。


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