ペパ研

学生と客員研究員としてのこれから

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はじめに

この度ペパボ研究所に客員研究員として参加することになりました、中田裕貴(@chikuwa_IT)です。 この記事では、ペパボ研究所に参加することになった経緯や大学とペパボ研究所の関わり、抱負などを書きたいと思います。

やってきたこと

私は公立はこだて未来大学の博士前期課程への進学を前提として6年一貫教育を行うコースで、情報技術や情報デザインを学んでいます。 このコースでは、企業の外部講師による授業や、実社会の課題を企業と連携しながら学部生・大学院生を交えてアイデア出しからリリースまで学生主体で行うPBL(問題解決型学習)を主体に実践的なスキルを積みます。 また、研究室配属はまだ先になりますが、システムソフトウェア研究室に居候し、コンピュータ(ハードウェア)プラットフォームの挙動をOS透明な高水準言語によってプログラム可能にする研究開発を行っています。 近年、SDNやSDS、FPGAに代表されるような計算機資源の高性能化や高性能化を求めるアプリケーションの登場によって、ハードウェアをプログラマブル化する技術が注目されています。 しかしながら、デバイス入出力などを改変・監視するにはハードウェアなどのアーキテクチャに沿ったプログラミングをする必要があり、難しいことが多いです。 そこで私は、軽量な準パススルー型ハイパーバイザにmrubyという言語を組み込み、OSの下からスクリプトでハードウェアの挙動を改変するといったことを目指しています。

そして、ご縁があり2017年の9月にはペパボの技術基盤チームとペパボ研究所にてインターンに参加し、Nginxやmruby製LinuxコンテナランタイムのHaconiwaに関する開発に取り組みました。 その際の成果物は勿論OSSとして公開し、今までの自分ではあまり出来なかった積極的なアウトプットをすることやOSSとして公開や貢献などを実践することができたと思っています。 また、学部2年生の早い段階から企業での研究開発を見ることが出来たのは貴重な経験でした。 私はインターンに参加する前は研究と開発は大きく離れたもので、エンジニアと研究者は交わることが無いだろうと考えていました。 しかしながら、インターン中に見たペパボ研究所での「学術的な成果だけで留まるのではなく、自社のサービスに適用して還元する」という事に興味を持ちました。 そして、11月に未来大学のITアーキテクチャ特論の特別講義で研究者とエンジニアが交わるその先へを聞き、研究者とエンジニアが交わる先であろうペパボ研究所に参加したいという気持ちを持ち続け、この度ペパボ研究所に参加することになりました。

ペパボ研究所でやっていくこと

ペパボ研究所では、主にFastContainerと呼ばれている技術基盤の高速化に関する研究をやっていきます。 FastContainerの概要は以下の通りです。[1]

クラウドサービスや Web ホスティングサービスの低価格化と性能の向上に伴い,コンテナ型の仮想化技術を活用することにより,複数のユーザ環境の収容効率を高めると同時に,セキュリティの担保とリソース管理を適切に行うことが求められている.一方で,障害時の可用性やアクセス集中時の負荷分散については依然として各システムに依存している.本研究では, HTTP リクエスト毎に,コンテナの起動,起動時間,起動数およびリソース割り当てをリアクティブに決定するコンテナ管理アーキテクチャを提案する.提案手法により,アクセス集中時にはコンテナが HTTP リクエストを契機に,アクセス状況に応じて複製・破棄されることで,迅速に自動的な負荷分散が可能となる.さらに,コンテナが一定期間で破棄されることにより,収容効率を高め,ライブラリが更新された場合には常に新しい状態へと更新される頻度が高くなる.

FastContainerは、恒常性による基盤の安定と変化への耐性が大きな利点です。 そこで、HTTPリクエスト毎の起動を高速化すればするほど、変化への耐性が向上し、基盤全体がより安定するようになると考えています。 高速化へのアプローチは複数ありますが、他のアーキテクチャのプロセス管理や状態遷移の仕組みを参考にするなどして検討していきたいと考えています。

今後の抱負

まずは上述した研究開発をやっていくことが当面の目標ですが、まだ自分自身が足りてない知識なども多くアウトプットとインプットのバランスをしっかり保ちながら進めて行きたいと考えています。 また、ペパボ研究所ではweb分野、研究室では仮想化技術と大きく異なりますが、得た知見は双方に還元していき、新しいコラボレーションを生み出していきたい考えています。 そのためにも、一つの分野のやり方などに固執することなく、様々な分野に興味を持つことで考え方や知見を常に応用できないか検討しながら研究に励んで行きたいです。 そして学業の方も疎かにすることもなく、ペパボ研究所、研究室、大学での学びを融合させて研究を進め、サービスに適用して還元するところまでしっかりと進めていきます。

引用文献

(1)FastContainer: Webアプリケーションコンテナの状態をリアクティブに決定するコンテナ管理アーキテクチャ, 情報処理学会研究報告, Vol. 2017-IOT-38, No. 14, pp. 1-8, 2017


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